原因不明の炎症が膀胱に生じ、頻尿・残尿、膀胱や下腹部の痛みなどが現れる病気です。年齢的には40歳以上が多く、女性に目立ちます。頻尿、尿意切迫感などの症状に加えて膀胱あたりの痛み、特に尿が貯まってきた際に恥骨上部の痛みを訴えるようなら、間質性膀胱炎の疑いが濃厚です。検査では、ほとんど異常がみられませんが、膀胱鏡検査でハンナー潰瘍という特徴的な所見、あるいは膀胱拡張時の特徴的な点状出血を認めた場合には、間質性膀胱炎との診断が確実なものになります(これらの所見が無くても、間質性膀胱炎と診断して治療を行うこともあります)。
治療は難しく、水圧拡張術、薬物療法などを行いますが、定まった効果は得られません。細菌性膀胱炎と診断され、抗生剤の長期投与を受けていたり、過活動膀胱と診断され、抗コリン剤の投与を受けていたりしますが、軽快せず、複数の医療機関を受診なさる患者様も、少なからず見受けられます。間質性膀胱炎は、医師が疑わない限り診断されることはありませんので、もしも疑われるような場合には泌尿器科専門医への受診を強くお勧めします。