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慢性腎炎とは、腎臓の中で血液をろ過する「糸球体」などに炎症が起こり、数年以上にわたって腎機能が少しずつ低下していく病気です。 初期には自覚症状がほとんどなく、健診などの尿検査で「蛋白尿」や「血尿」が見つかることで発見されるケースが多くみられます。 急性腎炎のように短期間で治るものとは異なり、慢性腎炎は長期的に経過をみながら治療を続ける必要がある病気です。 進行すると腎不全に至ることもあるため、早期発見と継続的な管理がとても大切です。
中でも「慢性糸球体腎炎」は日本人に多く、免疫反応によって腎臓が少しずつ傷つけられ ていくタイプです。
慢性腎炎は初期症状がほとんどないのが特徴です。
そのため、健診などでの尿異常(血尿・蛋白尿)が唯一のサインとなることが多くあります。 症状が進行すると、以下のような変化が見られます。
腎臓の機能が低下して老廃物を排出できなくなると、体に水分や毒素が溜まり、腎不全に至ることもあります。
慢性腎炎の治療の目的は、腎臓の機能を守り、病気の進行を抑えることです。 炎症の程度や原因に応じて、以下のような治療を行います。
腎保護作用のある降圧薬(ACE阻害薬・ARB)を使用し、腎臓への負担を軽減します。 炎症が強い場合は、副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬を用いることもあります。
塩分を控え、減塩食を基本とします。 たんぱく質の摂取を適正にし、腎臓のろ過負担を減らします。 医師や管理栄養士による食事指導を受けながら、栄養バランスを保ちます。
・禁煙・節酒・適正体重の維持 ・無理のない範囲での運動 ・十分な休養とストレス管理
慢性腎炎は長い経過をたどるため、定期的な尿・血液検査で腎機能を確認します。 異常が早期に見つかれば、進行を抑えることができます。
慢性腎炎は、「気づかないうちに進行する病気」です。 以下のような方は、特に注意が必要です。
症状がなくても、年1回の尿検査・血圧測定を継続することが、腎臓を守る第一歩です。 早期に治療を開始すれば、進行を抑え、透析を防ぐことも可能です。