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糖尿病性腎症は、糖尿病の三大合併症の一つであり、高血糖状態が長く続くことで腎臓の機能が低下する病気です。 腎臓の中には、血液をろ過して老廃物を排出する「糸球体」と呼ばれる毛細血管の束が約100万個あります。 血糖値が高い状態が続くと、この糸球体が少しずつ傷つき、老廃物をうまくろ過できなく なります。 初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると尿にタンパク質が漏れ出し(タン パク尿)、やがて腎不全へと至ることもあります。 進行を抑えるには、早期発見と血糖・血圧の厳格なコントロールが重要です。
糖尿病性腎症は、初期ではほとんど症状がなく、定期検査で初めて見つかるケースが多い病気です。 進行すると、以下のような症状が現れます。
さらに腎機能が低下すると、体に老廃物や余分な水分がたまり、腎不全や尿毒症を発症することもあります。
糖尿病性腎症の診断には、主に尿検査と血液検査を行います。
尿タンパク検査:尿にタンパク質が混ざっていないかを確認します。 尿中アルブミン検査:ごく少量のアルブミン(タンパク質)でも検出できる検査で、初期 段階の「微量アルブミン尿」を見つけることができます。 尿中アルブミンの排泄量により、病気の進行度が分類されます。
血液中のクレアチニン値から推算糸球体ろ過量(eGFR)を求め、腎臓の働きを評価します。eGFRが30mL/分/1.73㎡未満になると、腎不全の可能性が高くなります。
糖尿病性腎症の治療の目的は、腎機能の悪化を防ぎ、合併症の発症を抑えることです。病期や症状に応じて、以下の治療を組み合わせて行います。
血糖値を適切に保つことが最も重要です。 経口血糖降下薬やインスリン療法を用い、血糖を一定に保つことで腎臓への負担を軽減し ます。 早期であれば、厳格な血糖管理により尿検査の異常が改善する場合もあります。
高血圧や脂質異常症は腎臓にさらなる負担をかけるため、同時に治療します。 ACE阻害薬やARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)など、腎保護効果のある降圧薬 を使用することがあります。
病状が進行している場合は、医師・栄養士の指導のもとで食事内容を調整します。
症状の進行や合併症に応じて、次のような薬が用いられます。
腎機能が著しく低下し、体内の老廃物を排出できなくなった場合は、透析治療(血液透析・腹膜透析)を検討します。 ただし、早期に適切な治療を行うことで、透析を必要としないように進行を抑えることが 可能です。
糖尿病性腎症は、早期には自覚症状がないため、定期的な尿・血液検査が何よりも大切です。特に、糖尿病と診断された方は、年1回以上の腎機能チェックをおすすめします。血糖・血圧・脂質のバランスを保ち、生活習慣を整えることで、腎臓の健康を長く維持することができます。