男性は年をとってくると、若い頃に比べて尿の出が悪くなるものです。その原因の中で一番多いのが、前立腺肥大症です。前立腺が肥大して大きくなると、内側を走る尿道を圧迫したり、前立腺の筋肉が過剰に収縮して尿道が圧迫されたりするために、尿が出にくくなるなどの排尿障害が現れるようになります。なかなか人に相談できない症状かもしれませんが、治療により負担が緩和されることも多いです。症状が現れたら、自己判断せずに、専門医に相談しましょう。
メタボリックシンドロームの要因と前立腺肥大の有病率は正の相関がありBPHもメタボリックシンドロームの一症状といっても過言ではありません
夜間頻尿は高血圧などの要因もありますが、前立腺肥大症で多く見られる症状であります。本邦における報告では夜間頻尿1回以下と2回以上で有意差をもって生存率に違いがでています。1年で約3%の違い
排尿障害の原因となる疾患があるかどうかなど(病歴)を聞き取り、以下のような検査を組み合わせて総合的に診断します。
自覚症状の程度を点数化する採点表です。10点以上なら専門医への受診をお勧めします。あなたの前立腺肥大の程度はどのくらいか試してみてください。 →IPSS(国際前立腺症状スコア)
排尿障害について客観的な評価が可能な装置です。 自分は問題ないとおもっていても、実は排尿時間がかなりかかっていた、勢いが弱かったなど客観的に評価が可能です。診断、治療の目安になる専門機器を導入しています。
前立腺の大きさ・形・内容を観察します。また残尿(膀胱に残っている尿)量の計測もできます。その他の病気(がんや結石)の有無を多角的に診断します。
前立腺肥大症の治療は、薬物療法、手術が根幹となる治療となります。双方ともめまぐるしく治療内容が進歩しており、より治療効果がつづく薬、低侵襲手術が発達してきております。 薬物療法では
この3剤は第一選択として投与される薬剤ですが、効果の違い、特徴も異なりますので、よく説明を受けたうえで継続治療された方が良いと思います。手術治療においてはレーザー治療が主流になってきております。治療成績、手術合併症、入院日数とも従来の方法からは改善しています。当院からも専門施設への紹介できる連携を持っておりますのでご相談してください。
前立腺がんは、年々罹患数が増えており、2015年には前立腺がんは男性のがん罹患数で第1位になっています。 高齢になるに従って増える傾向にはありますが、50-59歳でも男性第4位と非常に多くなっています。 前立腺がんの5年生存率をみると、進行がんでは50%であるのに対し、限局、局所進行がんであれば95%以上でありその差は歴然です。血液検査のPSAが普及してからは、進行がんで見つかる前立腺がんの割合は劇的に減りました。まだまだ欧米と比べると日本の前立腺がん検診の普及率は低い状態ですので、一度は検査をお勧めしています。
前立腺がんに特有の症状というのはありません。前立腺肥大症と共存することもあります。この場合は排尿困難や頻尿など、下部尿路症状などがみられます。
PSAは、体の中にもともと存在する成分で、健康な方でも前立腺でつくられています。しかし、前立腺がんがあると、血液中のPSA量が急激に増加するので、前立腺がんの早期発見にあたって、とても重要な検査です。血液検査だけで測定できるため、前立腺がんの集団検診にも使用されており、早期発見に役立ちます。
前立腺の大きさ・硬さ、表面のなめらかさを直接指で触って確認します。
前立腺の大きさ・形・内容を観察します。
前立腺がんの治療法は進行の程度によってそれぞれ異なりますが、患者様の状態や年齢などを考慮し、最適な治療法を選択します。
悪性度の低いがんであれば進行も遅く、即時治療介入は行いません。 定期的なPSA検査、MRI、前立腺再生検で経過観察を行います。 的確な経過観察のもと、必要な時期の治療を提案します。
しおざわクリニックでの取り組み
尿道から侵入してきた細菌が、前立腺に感染することによって発症します。排尿後の熱感や痛み(排尿時痛)、残尿感、頻尿などの症状が起こります。尿は濁り、血尿が見られたり、尿道から膿が出たりもします。高熱や食欲不振などの全身症状を伴うこともあります。年齢に関係無く発症しますが、前立腺肥大症を合併していることも少なくありません。
尿中の細菌や白血球の有無を調べます。必要ならば、血液検査を行います。肛門から指を入れて、前立腺を触診(直腸診)すると、疼痛・熱感を伴う腫大した前立腺が触れます。
熱が高く、緊急を要する場合は、入院が必要になります。点滴を行い、細菌に有効な抗生剤を使用します。症状がそれほど重くない場合は、内服薬を用いながら、外来で治療することもあります。
下記のような症状があるのなら、慢性前立腺炎の可能性があります。
慢性前立腺炎は、あまり一般に知られる病気ではありませんが、20~40代の若い世代に多く、症状は会陰部不快感・排尿障害・精液に血が混じるなど様々です。いずれの症状も強くはなく、何となく感じる程度のあいまいなものです。症状の増悪因子としては飲酒、過労、緊張、長い時間の座位姿勢、刺激物の多量摂取、骨盤底への慢性的な物理的刺激(プロドライバーや自転車通勤者)などが挙げられます。
超音波検査で前立腺の状態を確認し、尿の細菌培養で原因菌を特定します(菌は、いる場合といない場合があります)。前立腺をマッサージした後で尿を検査し、白血球の有無や数、細菌の有無などを検査することもあります。
治療法は、慢性前立腺炎のタイプによってそれぞれ異なりますが、治療は感受性に合った適切な抗菌剤と前立腺のむくみをとる薬による治療が中心になります。排尿障害の治療に用いられるα遮断薬が有効であるという報告もあります。症状が落ち着いたら、漢方薬を積極的に用います。この病気で留意すべきことは、症状が改善するまでに時間がかかる(数ヶ月単位)点です。根気よく、着実に治療を続けましょう。
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